第5回「TYサポート・プログラム」には下記の5作品が選定されました。
◎山崎伸子 チェロ・ソナタの世界Vol.1
<応募者:梶本音楽事務所>
◎寺神戸亮によるバッハ:無伴奏チェロ組曲全曲
<応募者:コロムビアミュージックエンタテインメント>
◎印田千裕による日本女性作曲家の歩みVol.1
<応募者:ミッテンヴァルト>
◎大井浩明によるバッハ:フーガの技法
<応募者:大井浩明>
◎平松英子による細川俊夫歌曲集
<応募者:平松英子>
優れた音楽家に少しでも多くのCDリリースの機会を与えたいと2005年春にスタートした、TYサポート・プログラムも開始から丸3年になろうとしています。
私たちは今まで4回の募集を行った中で、その認知度が必ずしも十分ではなく、まだこの制度を知らずにいる音楽家・プロデューサーが多いと悟り、初め予定していた2007年7月の募集を11月に延期、その間さまざまな方面に認知度向上のためのアプローチを行ってきました。それは例えばクラシック・レコード・ファンのスタンダード誌である「レコード芸術」11月号に内容紹介の記事が組まれるなどの結果を生みましたが、実際の応募数にもこれは反映され、今までにない数と内容の応募をいただくことが出来ました。
上記にあげた5点はそれらを厳正に審査した結果ではありますが、他の応募作品との差はそれほど大きなものではなく、これ以外にもジャンルや演奏楽器、応募者の重なりがなければ選ばれた可能性もある、優れた作品が多数ありました。
今最も活躍しているチェリストの一人である山崎伸子氏の作品は、彼女の演奏を集大成していくシリーズの第1作ですが、このような作品は日本のレコード会社からリリースされにくいのが現状です。本作品は、山崎氏のような実力ある中堅演奏家を大いにサポートしたいという審査員の意見の一致で決定しました。
寺神戸亮氏はコロムビアにすでに沢山の録音が有り、サポートの必要性の是非について意見が交わされましたが、昨今のレコード業界の厳しい状況、内容の充実度からサポートしようということになりました。
印田千裕氏による日本女性作曲家の歩みは、この応募者がすでに第2回目でサポート対象になっていたのですが、非常に興味ある且つまたぜひ実現したい企画内容であることから選出されました。
大井浩明氏によるバッハ:フーガの技法は、他のチェンバロ奏者による興味深い企画と最後まで議論されていたのですが、クラヴィコードによる録音と大井氏の最近の活躍を評価して決定しました。
平松英子氏はドイツ歌曲、日本歌曲についてはトップ・クラスの歌い手で、その地道な活躍ぶりが確実に評価されています。今回は細川俊夫氏の歌曲集という、企画性の高さも評価され、決定いたしました。
なお、TYサポート・プログラムは出来るだけ多くの方々に広くCD発売の機会を持っていただきたいというのが趣旨ですので、過去にサポート対象となった演奏家・制作者は、そのことが審査の際に考慮されます。
また今後ご応募される方へのご参考としてですが、応募用紙は企画意図を明瞭にご記入ください。また、サンプル録音物につきましては、多種類のCDをお送りいただいた応募者が見受けられましたが、かえってプレゼンテーションの焦点がぼけてしまうことがありますので、企画にできるだけ近い音源を厳選のうえご応募いただきたくお願いいたします。
次回第6回目の募集は、2008年5月に行う予定です。
詳しくは後日このホームページにアップするお知らせをご覧ください。 |