第4回「TYサポート・プログラム」は2007年1月31日に締切られ、審査員各氏によって個別に審査が加えられた後、去る3月26日に最終審査会が行われ、下記の5点が今回の対象作品として選定されました。
◎腰越満美、羽山晃生による武満徹歌曲集
<応募者:潟Jメラータ・トウキョウ>
◎The Mostly Piano Duoによるスメタナ:ピアノ連弾版「わが祖国」
<応募者:中台円>
◎アントネッロによる天正少年使節団の音楽
<応募者:オフィスENZO>
◎小林武史による團伊玖磨作品集
<応募者:スリーシェルズ>
◎アンサンブル音楽三昧による新バッハ作品集 1、2
<応募者:田崎瑞博>
前回(第3回)のサポート対象の3作品はそれぞれ非常に特徴的で、いわゆる現代曲あるいはそのジャンル分けさえ超えたものでしたが、今回の5作品は同じく個性的でありながら、結果的にはさらに広がりを持ったジャンルからの作品となりました。
例えばThe Mostly Piano Duoによる、スメタナ:「わが祖国」は非常にポピュラーなオーケストラ作品のピアノ連弾版ですが、これは後世の編曲ではなく作曲者自身がオーケストラ版とほぼ同時進行で書き上げたものであり、演奏者はこの楽譜をわざわざチェコから取り寄せて演奏しており、おそらく日本では初録音となるものです。
また小林武史による團伊玖麿作品集の制作者のスリーシェルズは、日本の作曲家の作品を積極的に取り上げている団体で、今回の作品は過去のライヴ音源等をいくつか集めたものですが、音質・演奏とも完成度が高く、音源の選択等その仕事は高く評価できるものと考えます。
この他の応募作品も非常に良い内容のものが多く、審査前には各審査委員の票が散らばってしまうのではないかと懸念されましたが、上記5作品については全員の意見が一致し、結果的には比較的短時間で決定がなされました。
なお、締め切り前の事務局への問い合わせで、「応募用紙に項目のある“販売予定会社または営業委託先”がなぜ必要なのか」といったものが主に演奏家自身から何件か寄せられました。これに関しては我々がサポートした作品は原則としてあらゆる一般の音楽ファンが入手することが出来る、ということを大原則としていますので、レコード店に出荷されていることが重要視されます。実際、最終的にサポート対象者に支援金額をお支払いをする前には、出荷先となった複数のレコード店に行き、サポート対象となった商品の販売がなされているかの確認を行っています。
ネットのみの販売という商品が出てきている昨今ではありますが、やはりクラシックのCDに関してはレコード店における流通がまだ主流ですので、当面はレコード店への出荷が条件となることをご理解ください。
次回第5回目の募集については、2007年7月に行う予定です。
詳しくは後日このホームページにアップするお知らせを御覧ください。 |