2005年7月からスタートしたクラシックの録音制作のサポート・プログラム「TYサポート・プログラム」、その募集第2回は2006年1月31日に締め切られ、審査員各氏によって個別にプロジェクトの企画内容、サンプル音源内容、アーティスト・プロフィール等多方面に厳正な審査が加えられた後、全員合同による最終審査会が去る3月22日に行われ、下記の5点が今回の対象作品として選定されました。
◎白石光隆による成田為三のピアノ曲全集
<応募者:(株)キングインターナショナル>
⇒サポート作品掲載
◎花岡和生によるヘンデルの6つのリコーダー・ソナタ/2つのトリオ・ソナタ集
<応募者:花岡和生>
⇒サポート作品掲載
◎椎名雄一郎によるJ.S.バッハのオルガン作品集
<応募者:椎名雄一郎>
⇒サポート作品掲載
◎木野雅之による渡辺茂夫のヴァイオリン・ソナタ集
<応募者:ミッテンヴァルト>
⇒サポート作品掲載
◎本名徹次/東京シティ・フィルによる團伊玖磨、芥川也寸志、黛敏郎の管弦楽作品集
<応募者:スリーシェルズ>
⇒サポート作品掲載
2回目の今回は前回に比べ応募の総数は減少しましたが、いずれも真摯に練りこまれた企画で、サンプル音源から聞かれる各アーティストの演奏レヴェルも非常に高く、応募総数から推測された5点の選定は難しいのではないかという懸念は全くの杞憂で、むしろ最終審査に於いて5点にするために残念ながら選から漏れたものがかなりの点数にのぼるほどでした。最終結果は上記の様に日本人の作品を取り上げたものが5点中3点を占めましたが、某海外レーベルのシリーズ例をあげるまでも無く、これら日本人の作品には聴いてみたいという愛好家の方がかなりの数居るにもかかわらず、現在のレコード会社がもっとも関心を示さない部分と言えます。もちろんそれを理由として今回の3点が選定されたわけではなく、それぞれが魅力・実力のある企画であり、前回にも挙げた「10年後のファンにもアピールできるもの」でもあると考えられたからですが、図らずも現況を反映した結果となったのもまた確かなようです。また、演奏会プログラムでは現在でも最も多いと思われる古典派、ロマン派などクラシックのいわゆるメインストリームの企画が思いの外少なかったことも一つ印象に残った点です。なお、前回見受けられた音楽的には素晴らしくても、企画として未消化というものは今回は皆無で、2回目で早くも私共のサポート趣旨がご理解いただけてきていることと推測し、関係者一同大変感謝いたしております。
次回第3回目の募集については、本年2006年7月に行う予定です。詳しくは後日このホームページにアップするお知らせを御覧ください。 |