第7回 審査講評
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2009年4月 追記
第7回TYサポート・プログラム クラシックレコーディング支援において
下記作品の支援が決定いたしましたのでお知らせいたします。
◎『バロック&バルレッタ
―生水敬一朗(バンドネオン)アレハンドロ・バルレッタに捧ぐ』
応募者:ディスク クラシカ ジャパン
以上
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TYサポート・プログラムの 第7回クラシック・レコーディング支援は、2008年11月30日をもって応募を締め切られ、応募書類およびサンプル音源等による審査が審査員各氏により行われた後、審査員合同の審査会が2009年1月13日(火)に開催され、下記の作品(順不同)が今回のサポート対象作品として選定されました。
◎『オトテールの世界(仮)』
応募者:前田りり子
◎『赤いはりねずみ ウィーンのブラームスと仲間たち』
応募者:平野玲音
◎『金井喜久子作品集「沖縄の響き」(仮題)』
応募者:ジャパニーズ コンポーザーズ アーカイヴズ(JCA)
◎『琵琶法師の世界 平家物語』
応募者:(有)コジマ録音
フルートの前田りり子氏の作品については、朗々とした演奏が全審査員から高く評価され、全会一致でサポートが決定しました。
『赤いはりねずみ ウィーンのブラームスと仲間たち』の平野玲音氏は演奏水準の高さと今回の企画の選曲のおもしろさが評価され、また今後の活躍が期待される若手アーティストでもあることからCD制作をサポートすることとなりました。
金井喜久子作品集「沖縄の響き」(仮題)は、沖縄出身で日本で初めて交響曲を作曲した女性、金井喜久子の楽曲を、沖縄出身の実力派ピアニスト高良仁美氏が演奏し、沖縄本土復帰記念日に発売するという、企画の明快さが際立っており、選定されました。
『琵琶法師の世界 平家物語』は文学として知られる平家物語を、800年近い年月、盲人演奏家によって伝承されてきた音楽作品です。現在この伝統を守る唯一の後継者、今井勉氏が非常に判りやすく唄い上げ心に訴えかける力を持つ、非常に優れた作品であり、後世に伝えるべきものであろうということで、審査員の全会一致を得て決定しました。
また、条件付きサポート対象作品が1点、選定されました。この企画は演奏家の演奏レベルには高い評価がされましたが、企画内容等に関してはなお一層の考察を促したいという意見があり、再度企画提案をしていただき、それによって支援の可否を決定するというものです。
今回応募作品の特徴のひとつとして日本の伝統音楽作品が多く、しかもそれらのレベルは非常に高いもので、審査員から評価の声が上がりました。本プログラムは「クラシック・レコーディング支援」という形を取っていますが、日本および世界各国の伝統楽器による演奏作品等、演奏楽器を問わず、意欲的で優れた企画の応募を期待しています。応募資格などのご質問がある場合には事務局にお問い合わせください。
その他の応募作品に関しても演奏水準の高いものは数多くありましたが、企画内容については今回条件付きで選定された作品も含め、もう一歩深く踏み込んだ企画をご提案いただければサポートの対象になりえた作品が複数ありました。審査員からは「なぜ、今この企画で発売するのか」という意義を問う声が聞かれる作品もありましたので、今後応募される方は、ぜひ企画の背景説明も応募書類にお書き添えいただきますことをお願いします。
また今回の応募作品の中に企画の中心となる演奏者のサンプル音源が添付されてなかったため、せっかくご応募いただいたのに審査ができなかったものがありました。応募時にはご注意ください。
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