『琉球頌』〜井財野友人コレクション〜 (第3回サポート作品)
原田大志(ヴァイオリン) 丸山 滋(ピアノ) 長明 康郎(チェロ)
益田 喜代(ヴィオラ) 疋田 美佐子(フルート)
河端 秀樹(クラリネット)
定価2,700円(税込) 2006年10月18日発売
品番:IZAI0001
企画制作:井財野倶楽部
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井財野友人は一貫して演奏家=作曲家の姿勢をどこかに保ち続けて活動を続けています。その中で考え続けているのが「日本のクラシカル・エンターテインメント」。クラシック音楽も元をたどれば娯楽でした。ただヨーロッパ民謡が基礎になっている以上,日本人の琴線に触れるのに距離があります。それならば,「西洋人がクラシック音楽を聴く感覚で日本人が聴ける音楽」を作って演奏すれば良い,という考えにいたり,今日までその活動を続けています。その中で沖縄を素材にした室内楽曲を4曲まとめたのが,この「琉球頌」です。これらは沖縄の民謡やわらべうたが,始終織り込まれたもので,クラシック音楽のスタイルをとりつつも構えないで聴ける内容,クラシック音楽になじみのない方にこそ聴いていただきたいと思っております。
【嬉遊笑覧】3楽章制のヴァイオリンとピアノのためのソナチネで,全テーマが沖縄のわらべうたか民謡です。【トリプティーク・ナハ】は「久米」「首里」「牧志」の副題を持つ3楽章制のピアノ三重奏曲。【みみぐすい】は,ラプソディックな五重奏曲。沖縄音楽が初めてという方にぴったりの作風かもしれません。琉球放送創作芸術祭の芸術大賞受賞曲です。【あかいんこ】はヴァイオリン協奏曲の様式で書かれた六重奏曲。「あかいんこ」とは中世沖縄の楽聖の名。ヤマト風に始まり,カチャーシーで終わります。この「日本語でできたクラシック音楽」の意図が聴き手の皆様に少しでも伝われば,作者として望外の喜びです。
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